長崎の老舗だった、江崎鼈甲店謹製の貴重な鼈甲シガレットケース

先頃惜しまれつつ閉店した、長崎の老舗、江崎鼈甲店で買った、シガレットケースです。1957年の11月に、両親が新婚旅行で九州へ行き、途中の長崎で祖父母にお土産として買ったものでした。10年程前に実家を整理した際出てきたもので、家宝的に保存していたものですが、こんなご時世のためなくなく手放すことにしました。大体の大きさは、この長辺が約95ミリ、短辺が約77ミリ、厚さが約15ミリです。今のタバコには寸足らずかも知れませんが、電子煙草など入るかも知れません。一番長崎の名産品として、栄えていた頃のものです。鼈甲も良質の、透明感あるものがふんだんに使われている、宮内庁御用達のお店の品、是非是非ご検討下さい。祖父は余り使っていなかったらしく、木箱に中の包み紙、ケースの中に入っている紙も残っていました。多少の傷と、蝶番部に少し欠けている部分はありますが、年代物の割にはよく残っている方かと思います。10余年前、一度三代目ご主人にこの品についてお尋ねしたところ、このケースの湾曲と、ボタンの付いている開閉部の金具の細工は、今はもうできる職人もいなくて、同じものはもはや造れません、大事にして下さいと忠言頂いたものでした。これこそもう新しいものは手に入りません。本当に限りある資源からの工芸品の良さが分かるあなたへ。

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